当院における衛生管理(滅菌・消毒)
滅菌・消毒とは
皆さんが日常生活で「消毒」「殺菌」などの言葉を良く見聞きすると思いますが、その意味をご存知でしょうか。消毒とは、病原性微生物を死滅、または除去させて感染の危険をなくすこと。殺菌とは、対象物に付着する菌を殺す行為であり、対象となる菌や殺す程度を含まないので、少しの菌を殺しただけでも殺菌と言うことができます。ちなみに、「殺菌」は医薬品や医薬部外品に使用が許されており、雑貨品などにはその用語は使用できません。
また、「除菌」「抗菌」などの文字も良く眼にしますが、除菌とは物理的、化学的作用などにより、増殖可能な菌を対象物から有効数減少させるとなっており、必ずしも菌を殺すということではありません。抗菌とは、菌の増殖を抑制、あるいは阻害するという意味で阻止する対象や程度は規定されておりません。
医療の世界においては、感染予防のため殺菌・除菌など以上の処理が必要となりますが、その方法が「滅菌」です。滅菌とは、すべての微生物を殺滅または除去する事を言います。しかしながら、滅菌操作は主に器具にしか使用できないため、滅菌の出来ないものはディスポーザブル(使い捨て)用品を使用したりします。また、それ以外の物品では必要に応じ高水準消毒などを用い対象物によって最も適した方法で衛生管理を行っております。
衛生管理
・滅菌管理
当院の滅菌は「クラスB」をクリアした滅菌器を使用しています。「クラスB」とは世界で最も厳しい滅菌の基準と言われています。「クラスB」の他には「クラスS」と「クラスN」などがありますが、日本の歯科医院では「クラスN」の滅菌器を使用している医院がほとんどで、「クラスB」の滅菌器の普及率は数%と言われています。また、当院では洗浄・消毒を十分に行った器具を個別にパックしてしっかりと滅菌を行うことで、院内感染を予防しています。また滅菌業務にあたっては、日本医療機器学会認定の第二種滅菌技士が滅菌や管理を行うことにより、滅菌供給業務におけるリスク管理を行い安全な医療を提供できるように心がけております。
・衛生設備
当院の衛生設備として先ほどの滅菌器(クラスBオートクレーブ)などや口腔外バキュームがあります。口腔外バキュームとは治療の際に発生する有害な粉塵・飛沫を吸収する吸引装置です。「PM2.5」と言う用語は最近浸透してきたかと思いますが、これは直径2.5μm以下の微小粒子状物質の事です。通常の粉塵は口腔や咽頭で引っかかりますが、この微小粒子状物質は気管支などの奥に入り込むため呼吸器系疾患や循環器疾患のリスクを上昇すると言われております。歯科治療においては、入れ歯の調整時に出る粉塵や細菌、金属粉などが発生するため、口腔外バキュームでこれらを吸引し、院内の空気をクリーンにすることで院内感染を防いでいます。
当院は、厚生労働大臣の定める施設基準「歯科外来環境体制加算」の認定を受けております。この認定は、偶発症に対する緊急時の対応や感染症対策等の医療安全対策がなされている施設に認められたものです。